ティモシー ダイアモンド

定価: ¥ 2,940
販売価格: ¥ 2,940
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発売日: 2004-06
発売元: 法政大学出版局
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財産を食いつくす老人介護産業
メディケア、メディエイドというのは大統領選挙の際にも必ず争点のひとつになって、その存在は知っていたが、こんな風に形骸化しているとは知らなかった。
ざっくりと内容を書けば、メディケア(高齢者保険)と多少の蓄えによって最初は有料老人ホームで生活できていても、高齢者の生存年齢が80歳台から90歳台にあがることで、やがて蓄えがなくなり、有料老人ホームから退去を勧告された末に落ち着くのは、メディエイド(低所得者保険)用のすさまじい老人ホームであり、床ずれに悩まされ、排便介助もままならぬほど看護助手の人員が削減された現場では、すえた匂いと消毒臭だけが漂う、というものだ。
長年、社会保険料を払い続け、老後の蓄えも残しながらも、多くの中産階級の人々がスペイドダウン(財産の食いつぶし)によって、希望をもてず、一杯のアルコールを飲むことさえ拒絶されるようなホームを終の棲家とせざるを得ない現実は肌が粟立つ。こうしたレポートをまとめたのが、自ら看護助手の資格をとって、現場に飛び込んだ社会学者だというのだから、冷静な筆致がさらに戦慄を感じさせる。
非常に考えさせられた本。
内容はおすすめ。
アメリカの学者の行動力を見せつけられる一冊。
10年以上前に出版された本なので、現在も状況が同じかどうかは
わからないが、米国式の社会保障政策下ではこうなるという見本が提示されている。
北欧やヨーロッパ式の社会保障政策の対極の状況か。
ケアプランなど存在しないようだし、寝たきりや拘束はあたりまえ。
タイトルに反し、現場の状況は生々しく描写されているが、
具体的にどのように錬金術が行なわれているかという分析は殆どない。
社会保障費の額と職員の劣悪な賃金から想像できるのみである。
現在、日本でもグローバルスタンダード(=アメリカンスタンダード)
を合言葉に社会保障の解体が進んでいるので、これは未来の日本の姿かもしれない。
訳文が全くこなれていないため非常に読みにくいが、
ゆっくり、じっくり読めて良いのかも・・・
内容は星5つ、訳は2つ、総合で3つ。
実行力に脱帽
看護助手たちとのふとした会話をきっかけに、実際に看護助手の資格を取って現場で働き、レポートするとは、その実行力にまず脱帽だ。しかも、その間収入は看護助手としてのものだけ。本文中にもあったが、それで本当に食べていけたのか疑問だ。本書に出てくる看護助手たちは、その仕事だけでは家賃を払うと何も残らないのに。
アメリカで起こっていることは近い将来、日本でも必ず起こる。この本が書かれた頃からもういい時間が経っているので、そろそろかもしれないが外国人労働者の割合からすると、もう少し時間がかかるかも知れない。どこの国でも最低労働賃金が必要最低限の賃金でないのは同様のようだ。星5つ。
